NISLAB

ITSシンポジウム2022

2022-12-09

2022年12月8~9日のITSシンポジウム2022において,山本浩太郎(M2),杉本涼輔(M2),国本典晟(M1)の3名が以下のタイトルで発表を行いました.

自動バレー駐車のための時空間グリッド予約を利用した車両移動モデルのダイナミックマップ上における実装(山本 浩太郎)

2022_ITS_Yamamoto

近年,自動運転技術により搭乗者の乗降場所から駐車スペースに車両を自動で駐車し,また,必要なときに駐車スペースから乗降場所まで自動で車両を呼び出すことができる自動バレー駐車(AVP)システムの研究・開発が行われている.複数の車両が駐車場内を効率よく移動する際には各車両間で走行を調停する必要があり,我々は時空間グリッド予約の仕組みを利用することで効率的にAVPが可能となる方式を提案している.本研究では,AVPのさらなる効率化を可能とするために時空間グリッド予約の仕組みに車両の管理機能を追加した.駐車場の入り口から駐車スペースに車両を駐車し,駐車スペースから駐車場の出口まで走行する車両移動モデルを協調型自動運転に向けた情報通信プラットフォームであるダイナミックマップ上で実装し,評価を行った結果,車両移動の効率が向上していることを確認した.

V2X通信におけるプライバシ向上のための仮想車両を用いた協調的仮名交換方式の提案(杉本 涼輔)

2022_ITS_Sugimoto

近年,交通の安全性や利便性向上のため,V2X(Vehicle to Everything)通信を用いて車両の位置や速度等の情報を共有するメッセージに関する研究が盛んに行われている.しかし,これらの殆どは平文で送信されるため,位置プライバシの保護が重要な課題である. この課題に対し,通信時に仮名と呼ばれる車両の仮の識別子を実際の識別子の代わりに用いる手法が検討されている.本研究では周囲の車両台数に応じて仮想車両を生成し,それらを含めて協調的に仮名を交換する手法を提案する.シミュレーションを行なった結果,提案手法は周囲の車両台数に関わらず高いプライバシの確保と仮名生成数の削減を実現可能であることを確認した.

SDNを利用したQoS予測・予約によるV2X通信の信頼性向上(国本 典晟)

2022_ITS_Kunimoto

エッジサーバを利用した協調型自動運転において,基地局やエッジサーバの利用可能な通信帯域以上 に車両が通信を行う場合,QoSを保証できないことが懸念される.QoSを保証できないと協調型自動運転を行えず,安全性・効率に問題がある.本論文では,各車両の基地局やエッジサーバとの通信のQoS を保証するため,QoS予測とQoS予約を行う手法を提案する.QoS予測では,SDNを利用して各車両の移動計画から各基地局やエッジサーバと通信する車両の集中状況を事前に想定し,各車両の通信の QoSを予測する.QoS予約では,QoS予測に基づき,全ての車両に対して通信帯域を確保するQoS予約または通信不可の通知を行う.数理モデルにより通信可能台数の増加と合計旅行時間の短縮を確認した.

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